出典:Iwona Erskine-Kellie from Vancouver, Canada – Snow Algae Textures, CC 表示 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2890746による
2020年2月28日にとあるTeitterで、南極の氷雪が赤く染まっているのが投稿されました。
2月の中旬には、南極のエスペランサ観測基地で最高気温の18.3度を記録。
さらに南極の別の場所では20.75度を観測し、地球温暖化との関連に注目が集まっています。
そして今度は、氷が赤く染まっているというのだから、近年の南極は話題に事欠きません・・・。
あれ、もしかしてヒルルクの雪の桜は実現するってこと??
ヒルルクの桜は実現・南極の氷雪がピンクに染まる!
Weird ‘watermelon snow’ pics show Antarctic turning red https://t.co/ZE06Exz4Sk pic.twitter.com/wHp82FTnVt
— New York Post (@nypost) February 27, 2020
南極の氷(雪)が赤く染まっているのが観測されたのは、ウクライナのアカデーミク・ヴェルナツキー観測基地。
ウクライナの教育科学省は、この氷をラズベリージャムと表現しています。
これは、氷雪藻(ひょうせつそう)と呼ばれるもので別名「スイカ雪」と呼ばれている現象です。
本来の氷雪は白いため太陽光を反射し、熱を地球上から逃がす働きを持っています。
しかし、雪や氷の表面が赤くなると太陽光からの熱を吸収し、気温上昇の手助けとなってしまうのです。
温暖化となれば氷が溶けて氷雪藻が繁殖し、太陽光の反射率が下がり、温暖化・・・という無限ループになる可能性が出てきてしまうんですよね。
そして海面上昇につながる・・・このようなサイクルになってしまうことが懸念されているのです。
氷雪藻の原因・条件は何なのか?
氷雪藻は、雪や氷の上で育つ藻類の一種で、藻類が持っている色素によって赤・緑・黄色など鮮やかに色づきます。
これを「彩雪」や「雪の華」と呼び、赤く色づくものを「赤雪」「紅雪」などと表現されることもあります。
ほのかにスイカの匂いがすると言われているため、英語では「watermelon snow」スイカ雪と呼ばれているのです。
このあたりの内容はワンピースマガジンVol.9でも触れられていましたね。
氷雪の表面が気温上昇によって解け、水の膜ができたことで生育しやすい環境になったことが原因だと指摘されています。
・南極
・グリーンランド
・アラスカ
・シエラネバダ山脈
・北アメリカの西岸・東岸
・ヒマラヤ山脈
・日本
・ニューギニア
・アルプス山脈
・スカンジナビア
・カルパティア山脈
・中国
・チリ
・パタゴニア
・サウス・オークニー諸島
など
基本的には10度を超えると生息できず、標高が高かったり年間を通して気温が低かったりと限られています。
日本では、中部地方より北の山岳地帯、四国(石鎚山)や中国地方(大山)でも確認されているようですね。
とくに山形県で多く見られていいます。
ニュージーランドでも氷河が赤く染まっているのを観測
2020年1月下旬には、ニュージーランドでもピンクに染まった雪が観測されています。
当時、お隣の国オーストラリア東部で大規模な森林火災が起きていたため、煙がニュージーランドにも到達。
そのため、森林火災が原因かという指摘もありましたが、氷雪藻だったのだろうか・・・。
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もしくは、森林火災の影響で暖かい空気が流れ着き、氷を溶かし氷雪藻が生育しやすい環境が整ったということも考えられます。
ということで南極での赤い雪の正体は、氷雪藻というのが濃厚となっています。
南半球での夏に当たる11月、1月、2月の3回熱波が発生しているため、気温上昇とともに雪が溶け氷雪藻が発生したとされています。
つまり、ヒルルクの研究は氷雪藻を利用することでピンクの雪にすることができたってことになりそうですかね!?
日本でも見られることがあるので、赤い雪を見つけたらスイカの匂いがするのかチェックしてみてはいかがでしょうか。